椎体骨肉腫(OSA)は犬の最も一般的な原発性椎体腫瘍であるが、これらの腫瘍を外科的に減圧した後の生存期間を調べた研究は限られている。また、これらの患者に放射線療法や化学療法などの補助的な治療を行った場合の効果に関する情報も限られている。本研究の目的は、原発性椎体OSAを有する犬が、緩和的減圧手術単独、および放射線療法や化学療法を併用した場合の生存期間を明らかにすることである。原発性椎体OSAと診断され、減圧手術を受けた顧客の犬22頭の記録を、8つの紹介施設からレトロスペクティブに収集した。生存期間は、手術のみを受けた犬と、放射線療法や化学療法を併用した犬について評価した。手術単独で治療を受けた12頭の生存期間の中央値は42日(範囲:3~1333日)であった。手術と化学療法を行った3頭の犬の生存期間の中央値は82日(範囲:56~305日)であった。手術と放射線治療を受けた犬は1頭のみで、この犬は101日生存した。6頭の犬が手術、放射線治療、化学療法を受けた。これらの犬の生存期間の中央値は261日(範囲:223~653日)であった。術後初期に生存していた全症例の死因は、腫瘍の再成長が確認された、あるいは疑われたことによる安楽死であった。本研究の結果は、椎体OSAの緩和的減圧手術を受けた犬において、決定的な放射線療法(場合によっては化学療法との同時併用)は生存期間を有意に改善することを示唆しており、選択された症例では治療法として選択されるべきである。