グリア性腫瘍の治療に従来の多分割放射線治療を使用することは、文献によく記載されている。しかし、犬の頭蓋内グリオーマに対する定位放射線治療の有用性はほとんど明らかにされていない。我々は、推定頭蓋内グリオーマと診断された犬21頭に、8~10GyのサイバーナイフSRTを3分割して1コース以上の治療を行ったレトロスペクティブ分析を行った。本研究の目的は、犬の頭蓋内グリオーマの治療にSRTを使用した場合の有効性、安全性、および予後因子を評価することであった。全犬種の総合MSTは636日(d)であった。記載されたSRTプロトコルの1コースで治療を受けた犬のMSTは258日であったが、1コース以上で治療を受けた犬のMSTは865日であった(P = 0.0077 log rank, 0.0139 Wilcoxon)。SRTを1コース受け、アジュバント化学療法を受けた犬のMSTは658日以上で、化学療法を受けなかった犬(MST、230日)よりも有意に長生きした(P = .0414 log rank, 0.0453 Wilcoxon)。最も多く見られた有害事象は、3/21頭の犬に見られた推定一過性の脱髄であったが、これはすべての患者において副腎皮質ステロイドでうまく治療された。この研究は、SRTが頭蓋内グリオーマの犬の生存期間を延長するのに有効であり、従来の分割プロトコールと同様の結果が得られる可能性があることを示す証拠を提供する一方で、病院への来院回数と麻酔エピソードの数を減らすことができる。さらに、患者は安全に複数回のSRTを行うことができ、その結果、生存期間が延長すると考えられる。