Temozolomideは新規の経口アルキル化剤であり、ヒトの悪性神経膠腫および転移性メラノーマにおいてスケジュールに依存した臨床効果を示している。犬の固形がんに対するTemozolomideの有効性についてはほとんど知られておらず、幅広い用量が使用されているが、最大耐容量(MTD)は確立されていない。今回の非盲検用量漸増試験の目的は、進行性固形癌の犬におけるTemozolomide単回投与時のMTDおよび用量制限毒性(DLT)を明らかにすることであった。Temozolomideは70mg/m2から5日間投与され、10mg/m2ずつ増量し、各用量ごとに3匹の犬が投与された。MTDは、1サイクル後にDLTが発生した犬の数に基づいて設定された。安全性評価は投与10日後に行った。顧客所有の犬33頭が登録された。MTDは150mg/m2に設定され、最も頻度の高かった有害事象は血液および肝臓、次いで胃腸であり、大部分は自然治癒し、グレードも軽かった。160mg/m2投与時には、VCOGグレード3の肝毒性とグレード4の血小板減少症がDLTと定義された。サブコホートの犬は、4週間サイクルで複数回のテモゾロミド投与を受けたが、累積毒性は記録されなかった。本試験の結果、TemozolomideのMTDは1日1回5日間投与で150mg/m2と定義された。temozolomideをMTDで投与した場合の有効性に関する今後の試験が必要である。