様々な腫瘍組織では、insulin-like growth factor-l (IGF-1)と活性酸素種(ROS)のレベルが異常に上昇しており、IGF-1はがんの炎症の発生と進行に関連していることが報告されている。本研究では、IGF-1がIRS-1/mPGES-1/NOX2-regulated ROSを介して核内因子-κB(NF-κB)およびNLRP3炎症シグナルを活性化することを明らかにした。さらに、B16-F10腫瘍担持マウスモデルでは、阻害剤併用投与により、腫瘍数、腫瘍増殖、組織への浸潤、末梢血中の炎症性因子の発現が、IGF-1投与群に比べて有意に減少した。以上のことから、IRS-1/mPGES-1/NOX2をターゲットにして、NF-κBやNLRP3に関連する炎症を抑制することは、がんの発生と進行を制御するための戦略として期待されます。