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Tuesday, December 24, 2024
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犬のSHP2変異体の分子的特徴と、犬組織球性肉腫の異種移植マウスモデルにおけるSHP2阻害剤SHP099の抗腫瘍効果に関する研究

犬の組織球性肉腫(HS)は、侵攻性で転移性の高い新生物である。最近、犬のHS腫瘍細胞で発見されたsrc homology 2 domain-containing phosphatase 2 (SHP2; PTPN11にコードされる)の変異は、SHP2のアロステリック阻害剤であるSHP099の魅力的な治療標的となりうる。ここでは、野生型SHP2と、本研究で新たに同定されたものを含む4つのSHP2変異体(p.Ala72Gly, p.Glu76Gln, p.Glu76Ala, p.Gly503Val)の分子特性を調べた。さらに、SHP2 p.Glu76Alaを持つHS細胞株に対するSHP099のin vivoでの効果を、異種移植マウスモデルを用いて検討した。SHP2 Glu76変異細胞株とSHP2野生型/Gly503変異細胞株は、それぞれSHP099に対して高い感受性と非感受性を示したが、新たに同定されたSHP2 p.Ala72Gly変異を持つ細胞株は、SHP099に対して中程度の感受性を示した。組換え野生型タンパク質と4つの変異型SHP2タンパク質のうち、3つの変異型(SHP2 p.Ala72Gly, p.Glu76Gln, p.Glu76Ala)は構成的に活性化されていたが、野生型SHP2とSHP2 p.Gly503Valには活性が検出されなかった。これらの構成的に活性化されたタンパク質の活性は、SHP099によって抑制され、特にGlu76変異体の感受性が高かった。異種移植マウスモデルでは、SHP2 p.Glu76Ala変異細胞株に対してSHP099が抗腫瘍活性を示した。このように、SHP2変異体の分子特性には不均一性が見られた。SHP2 p.Glu76Alaおよびおそらくp.Glu76Glnは、野生型SHP2やSHP2 p.Gly503Valではなく、犬HSにおいてSHP099が標的となる発がんドライバーであると考えられた。SHP2 p.Ala72Glyが、犬のHSにおけるSHP099の治療標的としての可能性を明らかにするには、さらなる研究が必要である。

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