リンパ腫は犬に最も多い血液悪性腫瘍であり、その病因はほとんど分かっていない。リンパ腫の組織に犬の媒介物質(CVBD)が存在することが報告されており、その原因となる影響が疑問視されている。我々は、リンパ腫の犬におけるLeishmania infantum、Ehrlichia canis、Anaplasma phagocytophilum、Bartonella henselaeの感染の有無と程度を評価することを目的とした。リスボン都市圏に住む、リンパ腫と診断された61匹の犬が登録された。血清IgGの検出には、免疫蛍光法を用いた。腫瘍組織におけるCVBD剤のDNAの存在はPCRで評価した。すべての犬でB. henselae、A. phagocytophilum、E. canisは血清検査とPCRの両方で陰性であった。L. infantumについては、8.2%(n=5)の犬で血清学的結果が陽性であった。L. infantumのDNAは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の2つのサンプルから検出された。これらの結果は、同じ地域で報告されている犬の集団と比較して、リンパ腫の犬におけるL.infantumの血清陽性率(8.2%対7.9%)および分子検出率(3.3%対1.2%)が、有意ではないが増加していることを示している。今回の調査では、リンパ腫とE. canis、A. phagocytophilum、B. henselae、Leishmania infantumの感染との間に関連性は認められなかった。しかしながら、CVBD疾患の経過を追った更なる研究は価値があり、リンパ腫発生におけるCVBD病原体の役割を明らかにするのに役立つかもしれない。