線形加速器を用いた定位放射線治療の前に患者の位置を確認するための「ゴールドスタンダード」は,キロボルテージコーンビームCT(kV-CBCT)であるが,これは一様に利用できるわけではなく,代わりに平面画像が用いられることもある.本研究の主な目的は、画像誘導にkV-CBCTではなく直交メガボルテージ(MV)ポータルまたはキロボルテージ(kV/kV)X線写真を使用した場合に、アイソセンタ確認の代用として使用される骨付き頭蓋骨の位置が異なるかどうかを調べることである。副次的な目的は、これら3つの画像モダリティを用いて決定したポジショニングに対する観察者内のばらつき、体格、頭蓋骨の形状の影響を明らかにすることであった。頭部の放射線治療を受けている犬と猫を対象に、この前向き分析研究を行った。治療前に平面画像(MVポータルおよびkV/kV画像)と体積画像(kV-CBCT)を取得し、手動で基準画像とコレジスターをとった。MVポータル、kV/kV画像、kV-CBCTに基づいて照合したときの頭蓋骨の位置の違いを比較した。合計65人の被験者と148個のデータセットを評価した。イメージングモダリティ間の移行の影響を評価するためにWilcoxon rank-sum testを使用した。MVからkV-CBCTへの移行、MVからkV/kVへの移行、kV/kVからkV-CBCTへの移行の大きさを比較したところ、統計的に有意な差があった。結果は、体格、頭蓋骨の形状、観察者間の違いによる影響は見られなかった。シフトの大きさと方向に基づいて、MVまたはkVの平面画像を位置確認に使用する場合は、少なくとも1mmの等方性セットアップマージンを計画ターゲットボリューム内に組み込む必要がある。