イメージガイド後に残るセットアップエラーの原因としては,画像の定位精度,画像レジストレーションに伴うエラー,サブミリメートルの並進誤差やピッチ・ロール誤差を補正できない治療用カウチがあることなどが挙げられる。この実験的研究の目的は,1mmの並進移動が可能な4自由度カウチを用いて,犬の頭蓋内領域を画像誘導で矯正した後のセットアップエラーを測定することである。6頭の犬を、真空変形可能なボディクッション、カスタマイズ可能なヘッドクッション、熱可塑性マスク、歯科用モールドを用いたインデックス付き上顎プレートを用いて、臨床治療と同じように45回位置決めした。頭蓋骨内の5つのフィデューシャルマーカーの位置を、基準位置とメガボルテージ(MV)、キロボルテージ(kV)、コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)による直交kV画像を用いた補正後とで比較した。MV、kV、CBCTガイドによる補正後の3次元距離ベクトル(3DDV)の平均値は、それぞれ1.7、1.5、2.2mmであった。すべての値が有意に異なっていた(P < .01)。オンラインMV、kV、CBCTガイドによる補正後の3DVの95%値は、それぞれ2.8、2.6、3.6mmであった。この結果から、犬の頭蓋内領域に対する画像誘導放射線治療のPTVマージンを選択する際には、ミリオーダーの設定誤差が残ることを考慮する必要がある。