皮膚乳頭腫(CP)は、イヌで最もよく見られる皮膚新生物の一つである。様々なマウスモデルにより、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ/Akt/mammalian target of rapamycin(PI3K/Akt/mTOR)経路の持続的な活性化が、CPの発生と進行に中心的な役割を果たすことが示されている。本研究の目的は、PI3K/Akt/mTORシグナル伝達経路に関与する2つの重要な分子、pAktSer473とpS6Ser235/236の免疫組織化学的な発現パターンを、組織マイクロアレイを用いて36匹の犬のCP標本で評価することであった。その結果、イヌのCPではPI3K/Akt/mTORシグナル伝達経路が持続的に活性化されていることがわかり、この経路が治療のターゲットになる可能性が示唆された。