アドレナリン受容体(AR)の発現は、原発性および転移性腫瘍のいくつかの部位で確認されており、増殖、生存、転移、血管新生に影響を及ぼす可能性がある。プロプラノロールやカルベジロールなどのARアンタゴニストは、一部の癌において増殖を抑制し、アポトーシスを誘導し、化学療法剤との相乗効果を発揮する。放射線耐性は、多くの細胞で生存促進経路のアップレギュレーションによって媒介されるが、これはARの影響を受けている可能性がある。ARアンタゴニストと放射線の併用を評価した研究は限られている。本研究の目的は、肉腫細胞株の生存率および放射線感受性に対するプロプラノロールおよびカルベジロールの効果を明らかにすることであった。仮説は、プロプラノロールとカルベジロールが4つの初代骨肉腫細胞株の放射線感受性を高めるというものであった。プロプラノロールまたはカルベジロールの単剤投与は、濃度依存的にすべての細胞株の細胞生存率を阻害した。カルベジロールの平均阻害濃度(IC50)は、プロプラノロールよりも約4倍低く、in vivoでの臨床的意義があると考えられた。イムノブロット解析では、ヒトとイヌの肉腫細胞株の両方でARの発現が確認されたが、ベースラインのARタンパク質発現と放射線感受性には相関がなかった。カルベジロールおよびプロプラノロールを短期間投与しても、クローンの生存率には大きな影響はなかった。プロプラノロールおよびカルベジロールの長期投与は、3Gy照射後の犬骨肉腫細胞の生存率を有意に低下させた。今回の結果とイヌにおけるin vivoでの活性の可能性に基づいて、肉腫に対するカルベジロールの効果を調査するためのさらなる研究が必要である。